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面白かったー!そしてとても見やすいドラマでした!

31話から。いよいよラストスパートへの足固めとしてどんどん込み入っていく!
どこかでなにかが変わっていれば、もしかしたら運命も変わったかもしれないのに、しかしみんな思いが募り考えた末に行動に出始める・・・。そして歴史ドラマは厳しい、運命はだいたい変わらないw
しかしこのドラマ、時間軸がいまいちわからず、1日の間に何話も進行したり、いきなり時間が飛んでいたりするから困るw


まず李世民は髙祖の喪に服すため長安を離れ陵墓でしばらく過ごすことに。皇帝不在を狙ってそろそろ黒幕が動き出す頃だ・・・敵を誘い出すための策でもあった。その馬車には誰も知らないが高士廉も一緒であった。やはり李世民一枚上手か。

主人公は李世民が匿っている(と思っている)高士廉に近づくために皇宮内に入り込みたいので、高祖の崩御で戦場から帰省中の太子の弟の魏王に取り入り爆弾作りを開始する。ここでついに城壁破壊級の爆薬が登場。その製法を秘匿するという名目で皇宮内に作業場を設けることに成功。ここから高士廉に近づくルートを探している。
が、李世民が都を出た際に密かに高士廉も一緒に出ていたことは知る由もない。

しかしこのムーブが太子を焦らせる。ついに親友の主人公まで太子に秘密を隠しまともに話すらしなくなった。主人公ももう少し気をつかってやればいいのにヒロインとの計画遂行で手一杯。
皇帝の留守を任された太子は、この機会に一気に地盤固めを進めるつもりだし侯君集もそれは同じ。
魏王を本気で排除する覚悟を決め、作業場が郊外の山に移ったのを好機として辛月を利用して魏王の爆殺を図るが、結局は失敗してしまう。
魏王は作業場焼失の責任を取らされるが、自分のしたことはすべて兄の目を覚まさせるためだった!と言う。まあそんな気はしていたが・・・今更それを信じることなどできない太子。しかも弟に「女のために狂ったか!」となおも詰め寄られて断絶必至。
ついには母親の皇后とも決別してしまう・・・。皇后も出番がなくなってしかも我が子同士が争うというのでお家騒動は大変だ。

そしてヒロインはやはり主人公を置いて高士廉暗殺を単独決行するが、高士廉はおらず兵に追われて兄弟子を失い、太子に泣きつくことに。
しかし結果的にこれも太子の行動を後押しすることになる。李世民が高士廉を匿っていて彼が皇帝のうちは裁けない=母のかたきを討つことができない=太子が皇帝になればそれが可能。ヒロインも正直ここまでくると、もはや母親の仇討ちはあまり本筋ではなく、さっさと片付けてしまいたいというようにも見えてきますな。いい加減この話にケリをつけて自分も楽になりたいし、主人公との生活も考えたいというような感じ。
しかし太子もヒロインもいくらなんでもやはり父。直接手を下して殺すまでは至らず退位で十分と考える。


さらに太子と辛月が秘密裏に埋葬した侯君集の娘が侯君集の手のものに発見されてしまい、辛月もいよいよ危なくなる。太子への想いを断ち切れない以上は、もうハッピーエンドはなさそう。。。
侯君集の娘と辛月を巡り、共闘関係にあった太子と侯君集の間にも危うい空気が出てくるがもはや一蓮托生。

だが侯君集の刺客は度重なる失敗でついには侯君集から排除されることとなり、それを助けるハメになった辛月と主人公によって、刺客は命を落とすもすべての真相を主人公に告白。この刺客は母親に看取られて最後に救われましたが、他のキャラに比べると救いがありますなあ。すべては侯君集の悪役度を高めるためか。
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そんな錯綜する長安に、いよいよ李世民が帰還の日が迫る。
侯君集は主人公の家族を人質にとり、動きを封じる。
太子はついには母親に毒を盛られそうになり感極まる。完全に心が壊れていく。
ヒロインは仇討ちのためというのでもはや考えることをやめた。

太子、侯君集、ヒロインは爆弾を門に設置し李世民の排除を計画。
李世民の馬車が長安につき、ついに決行の時を迎える・・・
が!ここでまさかの太子妃が動き、辛月を付き添わせて城門に登場!太子妃はすべてを知っていてそのうえで太子を食い止める最高の働きをした。太子はこの期に及んでも辛月のためにクーデターを中止・・・!おまえ・・・w ああ、千載一遇の好機を逃したか・・・どっちみちそれでも勝てたかどうかは怪しいが、

焦った侯君集は辛月と太子妃を捕らえて太子に迫り、軍権を奪う。
さらにようやく見せ場を果たした太子妃は死んでしまうw
もう後戻りはできない・・・。
最後までいいように操られる太子。すべては辛月のためとはいえ、結局たったそれだけですべてが操られてしまう。これでは勝てない。
侯君集に操られたままついに剣を抜いてクーデターを決行する!

一方の李世民も太子の行動を見抜いており、さらに主人公とヒロインに再会。ヒロインが生きていることに喜び、すべての真相を知る。(黒幕候補は3人に絞られており、他二人はそれどころじゃないとわかりそうなものだが)
しかし太子がそそのかされたのは野心があるゆえ・・・。剣を抜く!
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宮殿で対峙する親子!一騎打ちで勝負をつけよう!!この宮殿には水が張ってある装飾があって豪華だけど邪魔じゃないか?と思っていたがこのためだったー!(OP映像で予想はできていたがw)

しかし一騎打ちに臨んだ太子を終始圧倒し最後はグーパンでぶちのめす李世民!!
この李世民、ほんとに強いwww
さすがは武人皇帝。いやあ個人武勇も高い皇帝っていいっすねw
もう少し歴史を変えてしまうのかー!?みたいな危うい展開かと想いきや、セガールほどではないが「あ、これ無理」って感じで説教しながら太子をボコボコにするが、それでも命は取らない。
太子は最後の反抗期に失敗しクーデターは鎮圧される。。。いや、もとから勝算はあったのだろうか。

ほんとにこのドラマは李世民が良かったですねー。
この手のドラマは皇帝の威厳や権威をビシバシ見せて、時に苛烈で暴虐な面も見せはするけど、単なるわがままや感情論ではない。ぶっちゃけ皇帝がなんかあって倒れれば国は乱れ天下は荒れ果て文明リセットを繰り返す歴史ですからな。倒れることは許されない。だからこそ権威発揚は重要だし無意味に逆らう者には容赦はしない。
しかし父親や夫としての葛藤や愛憎に満ちた人間らしさを見せる。皇后との仲睦まじく互いに支え合う感じは意外と中華ドラマのほうがよく見るし、過去の出来事の後悔や苦悩や残響はありつつもそれを否定はしない。かと思えばヒロインや主人公の一途な姿には心打たれることもある。度量の広さを見せたりしかも一騎打ちまでやってのける。
まあ子育てが上手くいったかどうかはあれだが・・・どこの君主もそれは似たようなものですからなw

中国史上最高の名君とも呼ばれる李世民ですがこのドラマでほんとに好きな君主になりました。

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一方太子は地位を剥奪され皇籍抹消、庶民に落とされる。
無駄に生きながらえるだけでなく、このあと侯君集に辛月も殺されてしまう。
すべてを失って放心状態のもと太子の表情といったらなかったすなあ。

史実でも太子は若くして遊びに呆けて叱責を幾度も食らうが改善せず、弟の魏王を恨んで暗殺に失敗し、最後はクーデターを起こそうとして失敗し、庶民に落とされてその後わずか2年ほどで死んでしまったらしい・・・
きちんと調べたわけではなかったけどなんとなく予想はついていたし、自ら破滅を招いたけども残念ながら女の愛に狂ったというには本人の資質自体がだいぶ弱かったかなというキャラでしたな。しかし演じた役者はこれをよく演じきっておりました。いかにもなお坊ちゃん感が凄くよくでていて、中途半端な優しさがすべてをダメにした。

辛月もまあ不幸の星のもとに生まれたとでもいうのか、一族もアレだったのでたとえ長安に来なかったとしても結局一族連座で処刑されていたし、惚れた相手も悪かったし、しかしすべてを割り切って生きていけるほどタフでもなければ環境も恵まれていたとは言い難かった。
そもそも生かしてもらって、おばあちゃんの言葉は重みがあったけど、結婚相手は自分には一切興味がないわけでw
身を引く機会はたくさんあったけども結局ズルズルいってしまい最後は自分から死ぬハメに。
ハッピーエンドルートがあったのだろうか?w
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そして最後の大トリ、侯君集。
彼も現場の叩き上げで生きてきて戦ってよし政治もよしで弓の名手でと、かなり有能だけどそれゆえに野心家でプライドの高い傲慢な人物だったようですなー。このドラマでは高齢ということでむしろ控えめで爪を隠し続けて裏で立ち回る黒幕役でしたが、娘のことでは最後の最後に情を見せた。

太子が当てにならんと既に割り切っていたすべての黒幕侯君集は、軍権を奪い城外の軍を奪って城を取り囲んでしまう!この軍を率いていた将軍は李世民の腹心みたいな扱いだったのに、主人公に酒を飲まされあっさりいろいろゲロってしまったり、今回も侯君集にあっさり殺されてしまい、どっからどう見ても駄目将軍・・・こんなのが腹心で大丈夫なわけがないw

5倍の兵で城を取り囲んだ侯君集は、辛月や主人公の家族を盾に開城を迫る。李世民はもちろん応じないが、太子は別だ。いよいよ辛月は剣に身をサラシて自害する・・・。
逆転の手を打つには時間も物資も兵もない。。。


主人公は最後の賭けに出る。自分は歴史に関係ない人物だが李世民は稀代の名君、ここで死なせるわけにはいかない、もちろん家族も助け、ヒロインも救い、黒幕侯君集を討つ!というので敵の懐へ飛び込み、捕まって策を仕掛ける。
自分を盾にすれば、ヒロインが必ず城門を開ける。つまりは李世民の降伏だ。
そのために身を犠牲にする。策は成功し、ヒロインは主人公を助けるために城門を開けさせ、李世民は南門を開城。だがそれこそが真の策であった。見抜いた李世民は侯君集が城内に入ると城門を爆破し外の軍と分断!最後の決戦じゃーー!!!
バトルで尉遅敬徳も双鞭を振り回しやたらと活躍!w
軍人系が異民族討伐で出払ってしまっているので仕方がないが、序盤で出てきた連中も見たいシーンであったな。

侯君集は最後まで奮戦し、ヒロインを殺そうとするが主人公が身を挺してかばい相打ち・・・!ついに侯君集の野望は潰えたのであった・・・!
李世民はここでも賢明であったのが印象的。

倒れた主人公に抱きつき、「自分と子供を置いていかないで!」と泣くヒロインであったが・・・


気がつくと主人公は、最初の墓場に戻っていた。
すべては夢オチなのか・・・?
しかし隠し扉の先には主人公がドラマ内で使ってきた現代技術の数々と、本人の墓が。
そして隠し扉がしまってしまい閉じ込められたところで唐突にエンド!!

・・・ええー!???www

ネットでドラマについて検索していた時、どうもラストが怪しいようだというのは察知していて、壮大な放り投げやちゃぶ台返しは覚悟していたんだけど、これは予想外w
どうやらその意味不明さゆえに続編があるのでは!?とかいろいろ囁かれているようですが真相はわからず。
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ただ、最後のエピローグを見て個人的には納得。というか、普通にストーリーそのものはビシッと全部完結しているんですよね。ツッコミどころは多々あるとはいえ、伏線等も回収したり、なにより終盤のラストスパートはホントに見応え充分で面白かったー!

なのでこのエンディングは個人的には満足。
閉じ込められた主人公がどうなったのかは謎ではあるが、続編とかやるにはもう史実ネタがなさそうだしねw

主人公が死亡した過去のその後に、雲家で平和に過ごすお祖母様と小南と黄鼠、そして息子を愛でるヒロインの姿があって、なんかもう感無量。おばあちゃんにすべてを明かして納得させるのは大変だったろうなw

ヒロインに関しては頑固そうな感じと可愛らしさとが共存するキャラでしたが、ぶっちゃけトラブルメーカーでやることなすこと大抵失敗したり誰かが被害を受けたりと、かなりダメムーブも多いんだけどそれを明るくお調子者の主人公とコンビなのであまりそういう印象を受けないのは得でしたなw
また普段はムッとした顔しているのに、主人公にすべて攻略されてノロケてしまう時の照れ顔のギャップが凄くて役者の魅力や愛嬌のおかげか好感度は下がらないですんだかな。

そして主人公は現代的なお調子者加減が序盤は大丈夫かこれという感じだったけど、その軽さが入りやすくて無理難題を現代知識で解決していくあたりも良かったですねー。このキャラでなければダメだっただろうとw
しかし後半はさすがに皇帝暗殺を巡る陰謀の前にほとんど打つ手がなく、そこらへんのリアルさもあったかな。太子にも結局は見捨てていく感じになってしまったし。

いっそ別の時代にタイムスリップするのもアリかもしれませんなw
現代知識無双するネタがどれほどあるかはわかりませんが。

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というわけで全36話で、あっという間に見終わってしまいました大唐見聞録~皇国への使者~(原題は唐磚)

今作は中華ドラマだからとか、歴史ドラマだからとか、そのへんのハードルはほとんどなくて非常に見やすくわかりやすく、かつ面白くてキャラクターも役者も魅力的で、ほんとにサクッと楽しめて満足度は非常に高かったですね。
それでいて李世民と長孫皇后(あと無舌)たちの歴史人物もキチンと描いてくれて、唐時代のお勉強のきっかけには良かったし、そういう面でも凄く入りやすかった。

これまで見てきた中華ドラマでは漢武大帝や大明帝国 朱元璋、三国志などの歴史大河ドラマはいかにも歴史・時代劇という感じでそれはそれで面白かったけど、そのへんとは全く違う視点での楽しさがあって、歴史ドラマや歴史人物を描くのでもこういうのもいいなあという新しい感覚がありましたな。
タイムスリップものだけどそのへんのSF感や時代考証などはエンタメと割り切っているのも良かったし。

ただ中盤以降の侯君集が出張ってきてからはちょっとグダグダ感もなくはなく。魏徴や程咬金らは中盤以降まったくなくなったり、いろいろ雑だったりぶん投げたままのものもありますが、そこはしゃーないw